概要
変分量子アルゴリズム(VQA)と呼ばれるNISQアルゴリズムは、古典アルゴリズムの性能を上回ることが期待されていて、近年盛んに研究されている。VQAでは、まずアンザッツと呼ばれるパラメータ付き量子回路を作り、オブザーバブルを測定することでコスト関数を得る。次に、コスト関数を古典最適器で最適化してパラメータの更新を行う。
A big problem in this optimization process is a vanishing gradient problem which is the so-called “barren この時に大きな問題となるのが「不毛な台地」とよばれる勾配消失問題である。これは、十分表現力の高いアンザッツ(より正確に言えばユニタリー2-デザインをなすアンザッツ)を使うと系のサイズを大きくしたときにコスト関数の勾配が指数的に減衰してしまうという問題である。この問題はVQAを使って古典アルゴリズムを上回るスケーリングを目指す上で大きな障壁となっている。しかも、不毛な台地は勾配ベースの最適器だけでなく、勾配を使わない最適器にも影響を及ぼすことが知られている。また、量子ノイズも同様の問題を引き起こすことも知られている。
我々は、不毛な台地がどのようなときに現れ、どのような影響を及ぼすのかを数値的、解析的に研究し、適切な量子回路のデザインを追求している。